【オーストラリア産冬黒トリュフ】知っておきたい4つのこと

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長い年月、宿主である木のそばで、黒大理石に白いラインを描くように菌糸を伸ばし、一見眠っているように成長する、地下で眠れる森の美女

王子様が探しに来る頃には、「かぐわしさ」を地上に放ち、その存在をアピールし始める。それが、“あざと美しい” キッチンの黒いダイヤモンド、黒トリュフ。

栽培の難しさ、他にはない芳醇な香り、市場価格の高騰から、ヨーロッパでは残忍な殺人事件までも引き起こす魔力を持つきのこ。

そんな世界の美食家とシェフだけではなく、悪人をも魅了する高級トリュフといえば、イタリア、フランス産が、主流ですが、実は、オーストラリアでも、過去30年もの間、トリュフ生産の研究・栽培化に注力され、現在、ヨーロッパの黒トリュフのオフシーズンを埋める生産地として、世界各国から重宝されています。

ここ数年でこの時期になると、オーストラリアでもトリュフイベントが盛大に行われていますが、日本の夏になると突如現れるオーストラリア産黒トリュフって一体なんだろう?と疑問に思われている方、また今後オーストラリアへご旅行予定の方々のご参考になれば幸いです。

オーストラリア産の黒トリュフとは

トリュフって何?

トリュフは、きのこと同じように、菌類に属しています。きのこの王様、松茸が、赤松と共生して育つように、トリュフも樹木の根に菌根を形成して栄養素を交換しながら育っていきます。そして、子実体と呼ばれる、黒くてまるい塊が地中に形成され、成熟すると芳醇なアロマを放つようになります。

トリュフのシーズンはいつ?

オーストラリアの冬の黒トリュフは、一般的に6月中旬から9月上旬がシーズンになります。

オーストラリアのトリュフ産地は?

1990年代初期、オーストラリアでのトリュフの栽培化が始まりました。1997年には、現在オーストラリア産トリュフの多くを占める生産地、西オーストラリアのマンジマップで商業用の栽培化が開始されました。1999年には、タスマニアで、オーストラリア初となるトリュフの収穫が行われたと言われています。

マンジマップは、フランスの黒トリュフ産地ペリゴールドと気候が似ており、トリュフ栽培の研究、国内外のレストランへの供給と、オーストラリア産黒トリュフの業界を牽引してきました。今では、国内各地、200以上の農家で黒トリュフの栽培が行われ、首都キャンベラもトリュフ生産の盛んな地域の一つとなっています。

オーストラリアで生産されるトリュフの多くは、ヨーロッパで主流のフレンチ黒トリュフと言われるTuber melanosporum メラノスポルムになります。ヘーゼルナッツやオークの苗木の根に、トリュフ菌の菌根を形成させた状態で、適した土壌に植えられ、厳しい管理の下、長い年月をかけて育てられます。最低でも収穫まで5-7年はかかると言われています。

ワインのお味がテロワールによって左右されるように、トリュフもまた、土壌の状態や気候によって変化します。土地と生産者のハーモニーによって年月をかけてできた努力の賜物を、ワインを味わうように愉しむというのも素敵ですね。

参考文献:
https://specialtyproduce.com/produce/Australian_Black_Winter_Truffle_7750.php
http://manjimuptruffles.com.au/
https://tastruffles.com.au/about-us

オーストラリアではいくらで購入できる?

シーズンになると、キャンベラのファーマーズマーケットでは、ゴルフボールサイズ約30gで、AU$75で購入できます(2022年現在)。オンラインで購入できるマンジマップ産やタスマニア産も、大体同じ、50gで$125からの販売というのが相場のようです。

農家直伝トリュフの保存法

ファーマーズマーケットで、トリュフ農家の方に教えていただきました。ポイントは以下の3つ。

賞味期限

新鮮なトリュフは、購入して5日以内に食べるのがおすすめだそうです。

保存方法

キッチンペーパーに包み、さらに密閉された箱か袋に入れて、冷蔵庫で保存します。

この他、お米と一緒に保存して、トリュフライスにするという素敵な保存方法も。

美味しさを保つ技

キッチンペーパーに包んで保存する場合、毎日交換します。保存している間に、水分を失うため、新鮮さを保つのに頻繁に包みを交換する必要があるとのことです。

トリュフの調理法

洗うのか洗わないのか?

様々な専門店の説明をみると、

・歯ブラシのような柔らかいブラシで表面の汚れを落とし、キッチンペーパーで優しく汚れを拭う。

・冷水で数秒さっと洗い、やさしく水分を拭う。

という二択にわかれます。基本はきのこのような扱い方ですが、新鮮なトリュフは数秒洗った程度で風味は変わらないそうなので、水で軽く土を拭うのが良さそうです。

オーストラリアではゲヴュルツハウスでも購入できるこちらできのこの汚れを拭っています。

料理での使い方

難しいことは考えず、生のまま柚子の皮のように削る、またはスライサーなどで薄く刻むというのが主流です。オリーブオイルとガーリックで炒めるシンプルなパスタに入れたり、お肉料理の上に添えて風味を楽しみます。ちょっと特別な朝に、スクランブルエッグなど卵料理にもとっても合います。

削るグラインダーと、スライサーさえ準備できれば、あっという間にトリュフ料理の完成です。

キャンベラ周辺のトリュフイベント

冬の黒トリュフシーズン、6月中旬から8月にかけて、オーストラリア各地でトリュフイベントが開催されます。

トリュフ農家での、トレーニングされた犬によるトリュフハンティングを見学するトリュフ狩りイベントや、レストランで期間限定のトリュフコースランチやディナーの提供があります。

私が今年行ったのは、POACHERS PANTRY と、RAKUの、期間限定トリュフディナーコース。どちらも良かったです♡

以下の記事もぜひご覧ください。

▶️【RAKU】オーストラリアの黒トリュフの使い方に目から鱗

▶️キャンベラの魅力味わうトリュフ狩り体験

このシーズンならではの、オーストラリア産黒トリュフ、一度味わってみてはいかがでしょう♡

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