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【ムール貝献立】オーストラリアで食べたい絶品海鮮レシピ

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青い空に、青い海。さらに、オーストラリアで注目したいのが、青い貝。その名もBlue Mussel ブルーマッソゥ、ムール貝。

実は、学術名ムラサキイガイとも呼ばれるBlue Musselですが、日本にも、在来種のイガイと共に全国各地に生息しています。ではなぜ、日本では身近なスーパーで簡単に手に入らないのか疑問に思ったことはありませんか。

ぷっくり膨らんだ、オーストラリアの新鮮なムール貝はとっても美味しく、スーパーなどでもフレッシュなものがどこでも手に入るのに。パエリヤやムール貝のワイン蒸しなんて最高なのですが。

今回は、そんな疑問と、オーストラリアに来たらぜひ召し上がっていただきたい絶品ムール貝の夕食を、おすすめ献立とともにご紹介いたします。

日本と豪州のムール貝

迷惑生物とされた日本のムール貝

ムール貝の原産地は、地中海沿岸。それらが、船底などに張り付き海洋運搬の拡大とともに、強烈な繁殖力で世界中に広がったと言われています。

日本では1932年に外来種が発見され、以降全国に拡大し生息しています。しかし、牡蠣を始めとする海産物の養殖施設や発電所の水路に付着、さらに死んだムール貝により水質汚染が生じるなど、迷惑極まりない性質上、排除されてきました。また日本生態学会によって、「日本の侵略的外来種ワースト100指定種」に認定されています。

海産物が豊富な日本においては、そんな背景もあってか、ムラサキイガイは、「食べて美味しいムール貝」と認識・有効活用されるまでに時間がかかっているようです。昨今では、海洋センターによる調査研究が進められ、各地で、未利用資源として活用され始め、今後も商品価値を高めていく方向にあるようです。

日本のスーパーでも新鮮なムール貝が購入できる日も、そんなに遠くはないのかもしれませんね。

オーストラリアのムール貝

ヨーロッパでは、ムラサキイガイとともにヨーロッパイガイもムール貝として親しまれているようですが、オーストラリアで養殖されているのは、Mytilus Galloprovincialis / Blue Musselと呼ばれるムラサキイガイです。

地中海からの外来種ムラサキイガイに似ており、学術名も同じではありますが、NSW州の公式サイトによると、先住民の貝塚からも発見されているオーストラリア古来の種も存在するということです。殻は、オーシャンブルーやパープルの輝きをベースに、黒のマントを被った魅惑的な色。身はぷっくりしていて、甘みも感じられます。

オーストラリアではNSW州、VIC州、SA州、WA州、TAS州で養殖されています。オーストラリアでも実際に商業用に養殖が開始されたのは、NSW州で90年代中盤から。オーストラリア産ムール貝の食用化の歴史も、意外と日本と変わらないほど浅いようですが、需要と共に急速に繁栄していったようです。

他にも、ニュージーランド産、緑色の殻をした、Greenlip Musselと呼ばれるムール貝も市場に出回っています。Blue Musselの1.5倍以上の大きさ、身もふかふかで食べ応えがあります。こちらは、オーストラリアの輸入検疫制度に従って、必ず一度軽く茹でてからオーストラリアへと搬送されているため、調理の際は、長時間茹ですぎると硬くなるという難点も。それでもクリーミーでお味は美味しい!

オーストラリアでは、できるだけ新鮮な豪州産Blue Musselを、その土地のグルメを愉しむという旅の醍醐味として、Greenlip Musselはニュージーランドでの楽しみにとっておくのも良いかもしれません♡

参考文献:
環境化学研究所「発電所を困らせる水の生き物たち」
京都府農林水産技術センター海洋センター「ムラサキイガイの有効活用について」
国立環境研究所「侵入生物データーベース」
Department of Primary Industries, Blue mussel – aquaculture prospects
Cabi.org, Invasive Species Compendium, Mytilus galloprovincialis
Cabi.org, Invasive Species Compendium, Mytilus edulis
Australian museum, Blue Mussels
ACWA, The Mussel Market in Australia

ムール貝の旬

豪州ムール貝のベストシーズン

オーストラリアでは一年中、養殖されたものが手に入りますが、身が大きく最もクリーミーで美味しくなるベストシーズンはオーストラリアの涼しい時期。オーストラリアの真夏を避けた、3月から11月が旬だと言われています。

新鮮なムール貝の見分け方

一番わかりやすいのは、香り。少しでも古いものは、不快な香りが「むわっ〜」と漂ってきます。ただ、スーパーの生鮮カウンターなどでショーケースに入っているものは、購入するまで謎という賭けも。できるだけ海鮮類の回転が早そうな人気店で購入、またはお店の人にいつ入荷したものか尋ねてみるのも良いかもしれません。

あとは、閉じているもの。購入前に触れることはできませんが、軽く開いている殻を閉じると閉じたまま戻ってこないものが新鮮だと言われています。さらに、硬くて輝きがあるものも新鮮な証だと言われていますが、私のような素人が見分けるのはやや困難。

ムール貝の美味しい食べ方

最も簡単で美味しいレシピ

新鮮なムール貝が手に入ったら必ず作りたいもの、それはシンプルにムール貝のワイン蒸し。ムール貝の下処理さえ済ませれば、一瞬でできてしまう手軽さもお気に入り。

【追記・修正】2023年6月、オーストラリアのタスマニアで最高に美味しいムール貝の白ワイン蒸しを食し、レシピを追加修正しました。


材料
(メイン2人分)

・ムール貝 1kg
・エシャロット 1個 または玉ねぎ小 1/4個
・セロリ 1本
・ガーリック 1片
・白ワイン 1カップ
・生クリーム 1/2カップ→3/4カップ入れるとクリーミーでより美味しい
・バター 大さじ2
・塩 適量
・パセリ 少量

作り方

  1. まずは、ムール貝の下処理をしておきます。殻から垂れている紐(足糸)を、開き口に向かって引っ張り抜き、殻はタワシなどで綺麗に洗っておきます。
  2. ムール貝がおさまる蓋付きの鍋を用意します。そこに、みじん切りにしたエシャロットとセロリ、ガーリックをオリーブオイル少量で炒めます。
  3. そこに、白ワイン、生クリーム、バターを加えて、まずは一口味見して塩胡椒でお味を整えます。
  4. いい感じ、となったら、ムール貝を加えて、なんとかスープと絡めてから、鍋の蓋をし、強火で10分程蒸します。5分すぎたくらいから、溢れ出しそうになったら、少し火を弱めて調整してください。
  5. 最後に、パセリをかけてできあがり。
    (*蒸し時間は貝の量にもよりますが、硬くならないよう、5-15分ほどで調整。)

エシャロットは、玉ねぎで代用可。気分によってはセロリをフェンネルの微塵切りにしても美味しいです。そんなときは、パセリの代わりに、ディルを塗したりして楽しみます。

お味にあきたら、ベーコン2枚程度をカリッとさせてから、ムール貝を蒸す工程で一緒に加えても美味しいです♡

このとき使用する白ワインは、ボトルショップで購入できる一番安い一本6-10ドル程度のピノ・グリまたはソーヴィニヨン・ブランを利用することが多いです。

オーストラリアでは、JACOB’S CREEKのソーヴェニヨン・ブランを利用しています。(←大体10ドル/本以下) そのまま飲むには甘すぎる白ワイン、だけど調理には最適ワインで気に入っています。

サワードウやパン作りをされる方にもおすすめしたい、底の深いフライパンが重なって、両面使えるLODGEの、鉄鍋コンボクッカーは、殻入れも必要なムール貝のワイン蒸しに大活躍です。実際に、レストランでも、このままロッジのコンボクッカーで提供されたことがあります。

ムール貝ワイン蒸しに合わせたいもの

今はないかもしれませんが、ノースシドニーにあるCommodore Hotelのコスパ最高ムール貝ポットが絶品で、それに一緒についてくる、バゲットとフライドポテトの「ムール貝王道セット」が大好きで昔よく食べに通いました。ムール貝にポテトをサイドに合わせるものは、ムール・フリットと呼ばれるベルギーの郷土料理にあたるそうですが、本当にこの組み合わせは最高です。

ということで、我が家でも必ず合わせるのは、フライドポテトバゲット。フライドポテトのディップ用ソースには、マヨネーズに極少量のモルトビネガーを加え、ベルギースタイルにするのが我が家のお気に入り。

他には、フライパンでもできそうなシーフードの唐揚げを少量追加するのがお気にいり。サラダは、マヨネーズベースのドレッシングサラダなど、ムール貝のあっさりを補ってくれるコッテリ系サイドを合わせることが多いです。

最近の春のムール貝の献立には、フライドポテトとバゲットに加え、イカゲソの唐揚げ、新鮮トマトのガスパッチョアスパラガスのオーブン焼きチーズ添えを合わせました。

ムール貝の嘘ホント

オーストラリアの海洋生物学者Nick Ruello氏が、自ら研究調査し、多くのメディアで取り上げられてから、オーストラリアでは、「開かないムール貝は捨てるべき」という考えは根拠のない古いアイディアとされているようです。

彼の調査研究をまとめた記事によると、

・1.9%のムール貝は、食中毒の原因物質が加熱処理される前に開いた。
・11.5%のムール貝は通常の調理時間を超えても閉じていた。
・それをナイフでこじ開けて食べたがどれもしっかり調理されており摂取しても安全性に問題はなかった。
・ムール貝の安全性を確認するのに一番の方法は、調理前にニオイを確認すること。
・菌に侵されたムール貝は強烈なニオイがする。

等が記載されいます。

開いたからといって、安全とは限らず、全て開くのを待っていたら硬くてまずくなる、という点で私も納得しています。重要なのは、鼻の利かない日にムール貝を調理するのは止めましょう

【注意】ちなみに貝毒に関しては加熱処理しても除去できないため、有毒プランクトンの値が監視されている捕獲海域を把握していない一般の方が、自ら捕獲して摂取するのは危険だと言われています。

以上、クリーミーで大きな絶品ぷりぷりムール貝のご紹介でした。それでは皆様、今日も美味しい食卓で笑顔溢れる素敵な日々を。

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