【マッドクラブ】オーストラリアでおうちシンガポールチリクラブに挑戦
オーストラリアは食材の宝庫。そう感じるのは、日本で見たこともない野菜に果物、魚介類、調味料などバラエティに富んだ食料品が身近に手に入るから。
今回、初めて挑戦するのは、NSW、ACTでは今が旬のマッドクラブという名の巨大な蟹。近所のフィッシュマーケットの水槽内で、どっしり構える彼らと目が合う度、欲しいな、でも怖いな、とためらってきました。
蟹の名産地、北陸で育った私、馴染みのない蟹は試してみないと気が済まない、ただ、実をいうと活け蟹を自分で調理するのは初めて。少々ビビリながらも、あと少しで旬が終わるということで急いで購入してみました。
オーストラリアに来たら一度は挑戦してみたい、マッドクラブの世界へようこそ。
マッドクラブとは?
ワタリガニと同じガザミ科、アミメノコギリガザミがオーストラリアでは主流だそうです。英語ではGiant Mud Crab/ Scylla serrata。
ブラッククラブやマングローブクラブとも呼ばれ、海岸線沿いや泥地に生息しています。食用としては、特に東南アジアとオーストラリアで人気が高い蟹。
マッドクラブのシーズン
シドニーフィッシュマーケットのホームページによると、一年中手に入りますが、ピークは、NSW・QLDでは1〜4月の暖かい時期。NTでは5〜8月。
調理には、生きた新鮮なものを選ぶのが基本だそうです。実際、ブルースイマーと違い、水槽内で管理されているものがほとんどです。ただ、調理済みのものも売られています。
マッドクラブの下準備
アジア系フィッシュマーケットで購入
大きく、黒光りして、慄く見た目。重さは、平均サイズで大体500g〜1kg、3kgの巨大なものもあるようです。
私が購入したマッドクラブは、水槽内でも大きめサイズで1kgちょっと。
フィッシュマーケットでは、「カットする?それとも自分でする?」と訊かれました。” 蟹味噌を一ミリたりとも無駄にしないためには自宅でカットするのがおすすめ” と参考レシピで予習していたので、はじめから自分で捌く予定ではいましたが、
「めちゃくちゃ動く?それともおとなしい?大丈夫かな?」と何度も執拗に確認したところ、「そんなに動かないと思うわ。あなたなら大丈夫よ!」のお墨付きをもらい、スーパーの袋に入れられたマッドクラブをそのまま自宅に持ち帰りました。
で、自宅で、蟹のお尻らしき部分をおそるおそる掴み、マッドクラブをキッチンに置いた途端…
横向きで猛ダッシュし始めました。
そして私がわー、きゃー叫んでいる間に、自ら、シンクに落ちいきました。
めっちゃくちゃ、動くじゃない!?
自宅ですぐに調理するのであれば、店内でカットしていただくのもありかと思います。次、また調理する機会があれば、私は迷わずプロにお願いするでしょう。
可愛くなってくるので、あまり眺め続けないことをお勧めします。
で、自宅ではここからどうするか、ですが、お互いにとって最善の方法として、冷凍庫で眠っていただきます。蟹の大きさによりますが、身が凍らない程度に、冷凍庫内1〜2時間程。
私が購入した1kgちょっとあるマッドクラブは、沈静に冷凍庫内1時間45分かかりました。
そこからは、紐をほどき、出刃包丁とトンカチのようなものを準備します。
私はどちらも持っていないので、調理用バサミと、ミートハンマーを使用しました。
それらを用いて、通常のカニと同じように、
①大きなハサミを切り離す。(トンカチで軽くヒビを入れておくと後で身が取り出しやすい)
②蟹を裏返したときに見える三角形の前掛け/ふんどし部分を外す。
③ふんどし部分を外してできた空洞に親指をかけて、力一杯甲羅を開ける。
④胴部分についた食べられないエラを破棄する。
⑤身の詰まった胴をまずは半分に、さらに半分と4等分に切り分ける。
⑥蟹味噌以外の部分を綺麗に洗う。
蟹味噌もとっておきます。
これで、蟹の下準備は完了。
ここからは、蒸したり、焼いたり、お好きなように調理します。
でもせっかく、身がたっぷりのマッドクラブを購入したら、作りたいのは、シンガポールチリクラブ!!!
マッドクラブの美味しい食べ方
旬のマッドクラブが手に入ったら作りたかった、シンガポールチリクラブ。外では、手掴みでグシャグシャになりながらいただくのも、服が汚れるのもちょっと…というお上品な方でも、おうちであれば、問題なし!?
シンガポールチリクラブの準備
調味料さえそろえば、材料を加えていくだけなので、意外と簡単に調理できます。私が今回新たに使う食材は、伝統的な人気レシピには、必ずといって登場する、こちらの二つ。
ブラチャンとも呼ばれるシュリンプペーストと、ソイビーンペースト。
おっと、こんなの見たことないぞ。完全にやる気な〜くしたっ、という方、お待ちください。
これら、オーストラリアであればウールワースの小さな店舗でさえも取り扱う、アジア系移民の方が普段よく使われる材料のようです。近所のスーパーで高確率で見つかるはず。
<ソイビーンペースト>
ブラチャンはまずは置いておいて、こちらのソイビーンペースト。ソイビーンズは日本語で大豆、それがペースト状になったものといえば、味噌じゃだめなのか、と思いましたが、お味が違います。
ソイビーンペースト、まず蓋を開けると、懐かしい香り。
一口味見して、「こ、これは!?もろきゅうに使う、あのしょっぱく旨みたっぷりのもろみ味噌じゃないか!」と思いました。なんだか、それと、温泉宿でいただく、岩のりのようなフレーバーとねっとり感もあり、もろみと岩のりの間を行くような、とにかく、これだけで白米が美味しいことが容易に想像できる素敵な調味料を発見してしまいました。
<シュリンプペースト>
問題はこちら。シュリンプペースト、焼き海老がペースト状になったもののようですが、香り高さを超特急で通り越し、鼻がひん曲がります。ブランドによるのかもしれませんが、お好きな方、ごめんなさい。
ただ、日本にくさやというものが存在するので、これもファンにとってはクセになる香りなのかもしれません。
私から言えることは、袋をあけた瞬間、強烈な香りが鼻を支配し、フライパンで焼くと最強の香りで、あっという間に我が家を統治し、魚介類が苦手な夫を瞬殺してしまったという事実を、ここに明記しておきます。
でも、あら不思議なことに、ソースと合わせると香りが落ち着き、旨みとなってその頭角を現します。
ちなみに、人気料理家ジェイミー・オリバー氏のレシピでは、どちらも使われていないので、独特な香りに敏感な方は、省いても良いかも。
日本では混ぜるだけで美味しい、こんなチリクラブソースも↓
シンガポールチリクラブおすすめレシピ
今回参考にしたのは、こちらの二つ。
基本的に使う食材と工程を簡単に説明すると、
①まずはチリ、シャロット(または玉ねぎ)、ガーリック、生姜、ソイビーンペーストをブレンダーにかけチリペーストを作ります。
②次に鍋に、植物性油とシュリンプペーストをなじませながら柔らかくして、そこに先に作っておいたチリペースト、トマトピュレ(トマト缶)、ケチャップ、スイートチリソース、蟹味噌、水を順に馴染ませながら追加していきます。
③カニを追加して、沸騰したら蓋をして弱火で7-8分程、蟹が赤くなるまで茹でます。
④最後は、溶き卵を糸状に垂らしてとろみをつけて、お酢とお好みでお砂糖でお味を調整します。
⑤蟹を器に持ったら、ソースをかけて、パクチーを塗して完成。
自己評価
シンガポールチリクラブの自己評価してみました。五段階評価です。
– 美味しさ ★★★ マッドクラブは身がたっぷりで食べ応えあって美味しいが、蟹味噌は独特かも。次回シュリンプペーストを減量。
– 料理の手間 ★★ 活けマッドクラブの下処理はプロにお願いしてもいいかも
– 華やかさ ★★★★★ 記念日/おもてなしに
– 肉派夫の反応 ★★ “still smell of the shrimp paste..”
– 今後の登場回数 ★★ 年に1回くらい蟹好きの友人と楽しむのもあり!
アドバイス
過去の自分へアドバイスをするとしたら、
①ものすごく大きくて動き回る蟹に関しては、プロにカットを任せてしまおう。
②シュリンプペーストは極少量または省いても良いかも。
③鍋は、提供時おしゃれにみえるからといって、鉄鍋を使うのはやめて、ステンレス鍋を使った方がいい!←香りが移って、3回お湯を沸かし、オーブンで水分とばすを繰り返し、やっとのことで香りを除去できた。ふぅ
以上、食材に感謝する初マッドクラブのシンガポールチリクラブ報告でした。豪華に見えて、食べるのも楽しい、巨大蟹のチリクラブ。アジアンスタイルのホムパで、喜ばれることでしょう♡
それでは、美味しい食卓で、素敵な日々を。
▶️ピリ辛スパイスの蟹や海老を手掴みで食す、オーストラリア発Kickin’Innについてはこちらの記事へ。
海外発お役立ち情報満載ブログはこちら↓
この記事へのコメントはありません。